ビジネスシーンでは予期せぬ失敗やトラブルに見舞われ、お客様に直接的なご迷惑をかけしてしまうことがあります。また、相手のご意向に添うことができなかったり、結果的にご迷惑をかけてしまったりすることもあります。軽度の事態であれば、メールや電話でのお詫びでもあまり失礼にならない場合もありますが、深刻な事態なら、改めてきちんと手紙でお詫びをした方がよいでしょう。
誠意ある謝罪をするためにお詫びの手紙は一刻も早く送ることが大切ですので、タイミングを逸しないようにしましょう。「相手から責任追及される前に自発的に謝る」と、心得ておくとよいでしょう。
このページでは、文章の構成や便箋の選び方など、お詫びの手紙の書き方のマナーとポイントについてご紹介します。
お詫びの手紙のマナー(便箋、ペンの選び方)
白い便箋を縦書きで使用する
柄や色のついた便箋は失礼になりますので、白い便箋を使用しましょう。クリーム色ではなく、真っ白を選びます。 罫線の無いB5サイズの便箋がよりフォーマルな印象を与えます。またビジネスシーンの手紙なので縦書きが基本です。
TPOに合った封書の選び方は下記ページにも説明していますので、参考にしてください。
一筆箋は深刻なお詫びでの使用はNG
基本的にお詫びの手紙では、一筆箋は使用しません。しかし、使用可能なシーンもあります。
例えば、明らかな非があることではない場合や、それほど恐縮する必要がない場合などです。相手との関係性や親密度の程度にもよりますが、深刻なお詫びでなければ、贈り物と一緒に一筆箋を添えることもできます。その際も便箋と同様に、白い一筆箋に縦書きで書きましょう。
黒または濃紺のインク使用する
万年筆や水性ペン(先が細いもの)を使用し、インクは黒、または濃紺を選びます。事務的な印象を与えるボールペンは避けましょう。また、インクが消せるペンの使用はNG です。
白い便箋、封筒は下記サイトでもお買い求めいただけます。
お詫びの手紙のマナー(お詫びの手紙の構成)
「お詫び」で始まり、「お詫び」で結ぶ
お詫びの手紙は下記1~3(前文・主文・末文)の順に書くのが理想的です。
(1)前文:お詫びの言葉
お詫びの手紙は、申し訳ないという気持ちを相手に伝えることが最大の目的です。最初にお詫びの文章を書くことで、なによりもまずは「お詫びしたい」という気持ちを伝えます。
深刻なお詫びの場合には、「時候の挨拶」は書かずに、単刀直入にお詫びの文章を書きます。「頭語」も省略しても構いません。「時候の挨拶」を書かないことで手紙に緊張感が生まれます。
頻繁に取引のある企業様には、お詫びの言葉の前にいつもお世話になっているお礼から入ると自然な流れになります。
そして、具体的にどのように迷惑をかけたのか、その事態に対して自分が相手の立場だったらどう思うかということを想像し、相手の心に響く言葉を選びましょう。(2)主文:原因と解決策
今回のトラブルが起きた原因や解決策をきちんと伝えることで、このトラブルを真剣に受け止めていることが伝わるようにしましょう。
また、事実を説明することは必要ですが、書きすぎると自分を正当化したり、責任転嫁しているように捉えられてしまう危険性もあります。素直に自分のミスを認める謙虚な気持ちを言葉にしましょう。
(3)末文:お詫びの言葉(再度)
二度と同じ過ちを繰り返さない誓い、相手の許しを請う一文を記します。そして、最後にもう一度お詫びの文章を書き、申し訳ないという気持ちを伝えます。
ここに紹介している文例はこちらの文例ページに紹介しています。
お詫びの手紙の文例
以下のリンクからご紹介する文例は、「頭語」や「結語」に関しては省略していますので、必要な方はこのサイトの「手紙の基本」ページをご参照ください。
手紙はピンチをチャンスに変える働きをしてくれます。
気持ちが伝わる丁寧なお詫びの手紙を送ることにより、かえって人間関係が深くなることもあります。
細心の注意を払って仕事をしていても、ミスやトラブルはどうしても発生するものです。そのようなときには、今回ご紹介する文例を参考にお詫びの手紙を作成し、よりよい人間関係・仕事関係を築いていただけますと幸いです。