「暑中見舞い」と「残暑見舞い」の構成を理解しておきましょう。
基本的に、お見舞いの挨拶・時候の挨拶からはじまる主文・結びの挨拶・日付の4つのブロックから成り立っています。
1.お見舞いの挨拶
はじめに「暑中(残暑)お見舞い申し上げます」や「暑中(残暑)お伺い申し上げます」など、お見舞いの挨拶を述べます。本文よりやや大きめの文字で書くことにより見栄えが良くなります。句点「。」は書く必要はありません。
「暑中(残暑)お見舞い申し上げます」
「暑中(残暑)お見舞い申し上げます。」
お見舞いの挨拶に句点「。」は付けないように注意しましょう。
2.時候の挨拶からはじまる主文
時候の挨拶と相手の健康を気遣う言葉
自分が感じているその時の季節感を書きます。
相手が住んでいる土地柄や気候に合った表現がよいでしょう。そのあとに、相手の健康を気遣う言葉を続けます。お世話になったことがあればそのお礼も伝えると印象が良くなります。
「暑中見舞い」の文例(時候の挨拶と相手の健康を気遣う言葉)
・梅雨明けとともに本格的な夏がやってまいりましたが、ご壮健にお暮らしのことと存じます。
・迫力ある入道雲にひと時の雨の涼を期待するこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
・冷たい飲み物がことのほか美味しく感じる季節、暑さに負けずお元気にお過ごしのことと存じます。
・盛夏の折、ますますご健勝のことと拝察いたします。
・大暑の候、お変わりなくご活躍のこととお喜び申し上げます。
「残暑見舞い」の文例(時候の挨拶と相手の健康を気遣う言葉)
・暦の上では秋を迎えましたが、猛暑日が続いております。お元気でいらっしゃいますでしょうか。
・朝夕は暑さが和らぎ過ごしやすくなってまいりました。お元気にお過ごしのことと存じます。
・台風情報が気になるこの頃ですが、御地のご様子はいかがでしょうか。お伺い申し上げます。
・残暑の候、夏の疲れが出るころですが、ご体調はいかがでしょうか。
・早涼の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
自分の仕事やプライベートの近況報告
時候の挨拶に相手を気遣う言葉が入っていない場合には、健康を気遣う言葉を書きます。日頃の感謝やお詫びがあればそちらも伝えましょう。そのあとに、自分や家族の近況、夏の帰省予定など自分らしいエピソードを書くとよいでしょう。夏休みの旅行先から家族や友人に向けて旅先の感想などを添えるのも喜ばれます。
3.結びの挨拶
「暑中見舞い」「残暑見舞い」の主旨である、相手の健康を気遣い、無事を祈る思いやりあるひと言で最後を締めくくるとよいでしょう。
・酷暑に負けぬよう水分と栄養をしっかりと補給し、この夏を乗り切ってください。
・○○様の夏が素晴らしいものとなりますようお祈りいたしております。
・まだまだこの暑さが続くようです。お身体を大切に、お健やかに過ごされますようご祈念申し上げます。
・夏のお疲れが出るころですので、くれぐれもお身体にはご留意ください。
・新涼はまだ遠く感じられるこの頃、ご無理なさらずお身体おいといください。
4.日付
詳細な日付は入れず、年数の下に、暑中見舞いの場合は「盛夏」、残暑見舞いの場合は「晩夏」「立秋」「葉月」などの言葉を書きます。
*盛夏とは・・・梅雨明け頃から立秋までの夏の一番暑い時期を表す季語です。
*晩夏とは・・・夏の終わりを表す季語です。
*立秋とは・・・暦の上では秋とされる8月7日頃をさします。この日を過ぎると「残暑見舞い」となります。
*葉月とは・・・陰暦の8月をさします。
宛名の書き方(はがき)
宛名は、手紙の第一印象に当たるものです。どんなに内容が良くても表書きが雑であれば好印象になりません。バランスを考えながら、楷書で丁寧に書きましょう。