お礼状や挨拶状、事務的な連絡など、封書やはがきでは重すぎる内容のときに利用するのに適しています。便箋よりかしこまらず気軽に使えるので、請求書・書類・資料・サンプル送付の際の添え状や、上司にお世話になったり食事をご馳走になったときのお礼を伝えたいとき、お土産や贈り物を渡す際のちょっとしたメッセージを添えるときには、一筆箋を使うと良いでしょう。
一筆箋の定番構成は、宛名・簡単な挨拶・本文・結び・署名から成り立っています。長文は避け2枚以内に収めるのがマナーです。それ以上になる場合は、便箋にしましょう。下記のマナーに沿って一筆箋を使うことで、相手が読みやすく丁寧な印象になります。
- はじめに相手の名前、最後に自分の名前を書きます。
- 頭語・結語は不要です。用件や気持ちを簡潔に書きましょう。
- 一筆箋の良さは、物事や気持ちを短い文章で分かりやすく伝えられることです。堅苦しい言葉は避けましょう。
(例文)平素より格別のご高配を→いつも大変お世話になっております。 - 一筆箋は封筒に入れなくてもマナー違反ではありません。資料にそのまま添えたり、贈り物や会費などを入れた封筒に同封してもかまいません。2枚になったときには、バラバラにならないように、ビジネス文書と一緒にクリップで留めたり、封筒に入れるとスマートです。また、目上の方や少し改まった内容の場合には、封筒に入れた方がより良い印象になります。
一筆箋の書き方の基本(縦書き)
ビジネスの内容は、日本語の文字が美しく見え、礼儀正しい印象を与える縦書きで書きます。ただし、数字やアルファベットを多く書く場合には、横書きの方が読みやすいので横書きにします。
(注)一筆箋は短めの文章のため、あえて文頭を一文字下げて書く必要はありません。
1. 宛名
ビジネスの場合、一筆箋でも文字の大きさに気を配ります。決して、自分の名前の方が大きくならないように注意してください。部署名は省略しても構いません。役職名は書くようにしましょう。
2. 簡単な挨拶
今の季節感を伝える時候の挨拶や相手を気遣う言葉(お世話になったときはお礼を、ご無沙汰している場合にはお詫びなど)を書きます。また、ビジネスでは、相手の健康や繁栄の言葉を書く場合には、それを確信する書き方をします。
(例文)「一層暑くなってまいりましたが、お変わりなくご活躍のことと存じます」
・いつもたいへんお世話になっております
・ご連絡(来社・来店など)をいただきましてありがとうございます
・○○の件でもお世話になり、誠にありがとうございました
・いつもお心にかけていただき、感謝いたしております
3. 本文
目的・用件を簡潔に述べます。大事な内容が伝わりづらくなるので、用件を1つ以上入れないようにしましょう。
4. 結び
文末に締めくくる言葉を述べます。相手の繁栄や活躍などを祈る気持ちを書き、最後まで思いやりの気持ちを添えましょう。
5. 署名
一行に自分の会社名と名前を書きます。
文字の中心線を意識することでバランスよく文字を書き進められる「秘密の下敷」付きで、他にも誰でも簡単に美しい手紙が書けるヒントが満載の「きれいに書ける一筆箋 縦横両用」がおすすめです。
また、一筆箋選びに迷った時は「TPOに合ったレターアイテムの選び方」の「一筆箋の選び方」を参考にしてください。